14 September 2011

09 September 2011

米国上院財政委員会で国際課税の公聴会

2011年9月8日の公聴会の様子をここで見ることができる。

03 September 2011

最判平成22・4・13民集64・3・791(再論)

公共支出と租税優遇措置の統合的観察という視点からいったん離れ,判旨の一般論とあてはめ部分との関係を読み解いてみると,次のようになっている。

A(一般論)「具体的に建築物を建築する意思を欠き」
→ (あてはめ)「被上告人らに具体的に建築物を建築する意思がなかった」

B(一般論)「単に本件特例の適用を受けられるようにするため形式的に都計法55条1項の本文の規定による不許可の決定を受けることを企図して建築許可の申請をしたにすぎない場合」
→(あてはめ)「被上告人らは,当初から参加人[名古屋市]に本件各土地を買い取ってもらうことを意図していたものの,本件特例の適用を受けられるようにするため,形式的に建築許可申請等の手続をとったものにすぎない」

C(一般論の直前で措置法33条1項3号の3の趣旨について述べている部分)「土地の所有者が意図していた具体的な建築物の建築が事業予定地内であるがために許可されないことによりその土地の利用に著しい支障を来すこととなる場合に,いわばその代償としてなされる当該土地の買取りについては,強制的な収用等の場合と同様に,これに伴い生じた譲渡所得につき課税の特例を認めるのが相当であると考えられたことによるもの」
→(あてはめ)「被上告人らには,その意図していた具体的な建築物の建築が許可されないことにより当該土地の利用に著しい支障を来すこととなるという実態も存しない」

このように,判旨は,あてはめのところでABCを併記し,そこから,「したがって,本件対価について本件特例の適用はない」という結論を導き出している。ABだけで結論が出せたはずなのに,Cもあわせているのは,なぜなのか。Cにいう「実態」がなかった事案に,射程が限られると読むべきであろうか。