29 July 2019

租税法学会48回総会の案内

このサイトである。以下に,案内の内容をコピーペーストしておこう。

2019年度総会

租税法学会第48回総会の御案内
会員の方はこちらから出欠をご記入ください。

 https://forms.gle/PbVLeTLbSLrnvCB86

なお,学会の開催要領は以下のとおりです。
日    時 2019年10月19日(土)  午前9時30分より
場    所 東京都港区白金台1-2-37 
明治学院大学白金校舎 3号館3101教室
地図(地下鉄白金台駅・白金高輪駅・高輪台駅より徒歩約7分)
  (総会幹事 渡辺 充)

次    第
(1)議事総会   (午前9時30分~10時)
        会務報告、会計報告、その他
(2)研究総会   (午前10時~午後5時30分)
      「家族と税制」
①研究報告
家族の多様化と税制の対応
   報告:加藤友佳(東北学院大学) コメント:谷口勢津夫(大阪大学)
家族財産の管理・承継の多様化と税制
   報告:渋谷雅弘(中央大学)    コメント:水野惠子(愛知学院大学)
消費・投資の場としての家族 ―租税理論の観点から
   報告:岡村忠生(京都大学)      コメント:渡辺智之(一橋大学)
家族と(再)分配
   報告:藤谷武史(東京大学)      コメント:森信茂樹(中央大学)
ドイツにおける家族課税-所得税を中心に-
  報告:奥谷健(広島修道大学)   コメント:西山由美(明治学院大学)
②質疑討論

御注意
・出欠は,9 月末日をめどに早めにご記入・ご連絡下さい。あわせて、次回以降の総
会研究課題についてのアンケートにご協力下さい。なお、当学会では、事務省力化のため、学会出欠連絡ハガキの可能な限りの廃止(HPを通じた参加申込み)を進めております。ご協力いただける会員の方はHPを通じた出欠連絡時にその旨お知らせ下さい。
・レジュメは、総会当日にお配りいたします。
・総会終了後に懇親会を開催いたします(会員のみ)。奮ってご参加下さい。昼食に
ついては、学内の食堂が利用可能です。
・なお,会員でない方が研究総会を傍聴される際には、資料代として 2,000 円を頂
きます。傍聴希望者は、租税法学会ホームページ(http://sozeiho.news.coocan.jp/
内のフォームよりできるだけお早めにお申し込み下さい。

16 July 2019

平成30年版厚生労働白書

平成30年版厚生労働白書-障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に-」である。その第1部は,
人生には必ず変化がある。今、健康で仕事に就き、悩みなく生活している人であっても、その生活が今後も続いていく保証はない。誰しも障害を有したり、病気になったり、何かのきっかけで仕事を失ったりする可能性がある。また、家族がそのような状況に置かれる可能性もある。個人がどのような状況に置かれても、自分らしく活躍できる社会が実現していれば、そのような変化は決して恐れるものではないだろう。(210-211頁)
という考え方にたって,「全ての人が活躍できる社会」像を描く。たとえば,がん患者・経験者の就労状況をみると,被雇用者のうち勤務を継続している者は約50%である。この点につき,
がん患者・経験者が長期生存し、また、がん治療は入院治療から通院治療へシフトしており、働きながら受けられる可能性が高まっている。こうしたことから、がん患者が診断時から正しい情報提供や相談支援を受けるなど、がん患者の離職防止を支援していくことが重要である。(96頁)
という方向を導き出している。また,現場の取り組み事例が豊富に紹介し分析されており,「足でかせいだ」情報を,居ながらにして一読できる。

第1部 障害や病気などと向き合い、全ての人が活躍できる社会に


14 July 2019

東京高判平成30年8月1日

先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除が争われた。納税者は,給与所得者であり,先物取引の差金等決済についてずっと無申告だった。平成26年11月に税務調査があり,納税者は,平成20年分の損失を平成21年に繰り越すことを求めた。課税庁は,平成20年分の所得税は法定納期限から5年を経過しているから時効により期限後申告をすることはできず,したがって損失を平成21年に繰越できないとした。

原審の千葉地判平成30年1月16日は,国税の徴収権の時効消滅(税通72条)について,納税者が時効の利益を受ける意思があるか否かを問わず絶対的に消滅するとしたうえで,税務署長による「決定がなされない場合であっても,当該申告の対象となる国税の時効期間が経過し,抽象的な納税義務が消滅し,具体的な納税義務の内容をおよそ確定することができなくなったときには,期限後申告ができなくなる」と判示し,繰越を認めなかった。

東京高判も同じ結論であるが,理由付けとして,原審のあげる「消滅時効の絶対的効力の観点」に加えて,「実質的観点」を付加している。すなわち,「国税の徴収権の消滅時効の期間が経過して徴税権がなくなり,課税庁が,提出された確定申告書等に誤りがあるかどうかを調査できず,更正又は決定ができない時点に至っても,仮に確定申告書等の提出を許すこととすると,課税庁としては申告書の記載をそのまま認めるしかないことになってしまい,課税の適正・公平が確保できないことになる」という。

つまり,
  • 消滅時効の絶対的効力の観点
  • 実質的観点
というふたつの理由付けが提示された。

前者について,品川芳宜・判批・T&A Master 773号15頁 (2019年) 23頁は,国税通則法が期限後申告または修正申告について明示的に期限を定めているわけではないことから,「納付すべき税額が生じない期限後申告又は修正申告については,国税の徴収権の消滅時効と離れて弾力的に解す余地がある」として,「本件のような場合に,期限後申告書の提出を徴収権の時効消滅後であっても認める余地があるようにも考えられる」とする。
→これは,徴収権が消滅したあとでも,納税者と国の間の租税法律関係は残存しているという理解を前提にしているように思われる。そうではなく,5年たてば基礎となる法律関係が消滅し,繰り越すべきであった観念的な損失自体が消えてしまう,というのが,原審判決の「抽象的な納税義務が消滅」するという判示部分の意味であったのではないか。ややドグマティックな感じを与える議論ではあるが。

後者の実質的観点に対しては,品川説の立場から,「平成21年分の申告内容を税務職員が調査する一環として,平成20年分として計上された損失の金額が正しいかどうかを審査すればよい」という反論がなされる。平成20年分の期限後申告という手続はすっとばして,直接に21年分をみる。あくまで21年分の申告内容をみているだけであって,20年分に遡っているのではないという理屈である。
→この反論の立場にたったとしても,平成20年分の損失の金額に誤りがあり,調査してみたら実際には黒字だったという場合には,国税の徴収権は時効消滅しているから,20年分についての決定はできない。つまり,損失の繰越という局面でのみ,20年分の申告内容をチェックするということになる。うーむ,なかなか弾力的な解釈。
→実質的観点に対するこの反論をきらうならば,結局,前者のドグマティックな議論でおすのが,簡明か。あたかも,膨張する宇宙の向こう側がこちらの世界からは観測不能であるように,時効消滅した以前のことにはノータッチであらざるをえない,とわりきるのである。

05 July 2019

デジタル経済の課税をめぐる動向,第2版

国立国会図書館の佐藤良氏によるこれである。昨年7月の初版の更新版。今年6月までの動きをフォロー。作業計画を概観し,各国の独自措置をアップデート。日本の主要論者の文献を堅実に参照していて,まさに「調査と情報」。

以下は,昨年7月から今回のこれに至る国会図書館の「税・金融・経済」の「国税」の欄の刊行物のリンク。

04 July 2019

Brian J. Arnold, 50 years and counting

Canadian Tax Journalのオープンアクセスページで,Arnold教授が租税の領域で仕事をはじめてちょうど50年になった,という記事が出ていた。おめでとうございます。1969年7月1日からUniversity of Western Ontarioで教えはじめ,それから50年。はじめてchild care expense deductionについて論文を書くまでのいきさつや,1980年代あたまにTiming and Income Taxationの初版(2015年に第2版)を出したころのことがいろいろと。

BRIAN J. ARNOLD


Posting: 158
July 3, 2019