31 August 2022

The Memoirs of Stanley S. Surrey

今夏は東京も猛暑で大変だったが、サリー教授の回顧録を読めたのが夏休みの収穫だった。この本だ。A Half-Century with the Internal Revenue Code: The Memoirs of Stanley S. Surrey, Edited by: Lawrence Zelenak, Ajay Mehrotra, Carolina University Press, 2022

1945年夏に海兵として東京に来た時には軍の階級が低くて帝国ホテルに入れなかったが、その後、1949年にシャウプ勧告のメンバーとして東京に滞在したときには帝国ホテルに宿泊したという。1972年10月に東京大学で講演したことも出てくる(この時の様子は日本側では租税法学会の学会誌創刊号である租税法研究第1号に記録されている)。1978年に訪日したときに金子宏教授が視察旅行に同行されたことも、書かれている。

1969年からIFA(国際租税協会)のPSC(常設学術委員会)のメンバーとして議論の活性化に尽力したことや、国連モデル租税条約の起草をリードしたこと、あるいは、ハーバード大学にITP(国際租税プログラム)を創ったことなど、なつかしくもありなじみ深くもあるエピソードが、本人の手で活写される。

何よりも印象的だったのが、1930年代のリアリズム法学全盛期のコロンビア大学で学んだのち、government lawyerとして続々と成果をもたらしていくダイナミックな仕事ぶりである。ALI(アメリカ法律協会)のプロジェクトを次々と主導して、制定法の改善に取り組み、それが1954年法典の基礎になっていく。こういった初期の活躍ぶりをはじめとして、まさに「内国歳入法典との半世紀」という題名にふさわしい内容。歯に衣着せぬ率直な文章で、同時代の人物評や政策評価のひとつひとつが味わい深い。しかもそれに、編者による丁寧な注釈がついていて、背景理解を助けてくれる。

サリー教授は1984年に逝去され、残された原稿がOldman教授の研究室からHalperin教授の研究室を経て、今回の出版に至ったようである。2022年の今、これを読むことができて本当によかったと思う。全体は大部な書物だが、編者による導入の章はここで読める。また、この回顧録を用いた租税支出に関する論文も出ている。


08 August 2022

租税法学会第51回総会プログラム

ここにアップされた。開催校幹事は関西大学の辻美枝教授。対面式開催を予定。ただし、「新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、総会を全面オンラインで開催する可能性があります。オンライン開催をする場合には、9月26日(月)午後に学会ホームページにその旨掲載」との注意書きがある。下記にプログラムをコピペしておこう。

日時 2022年10月16日(日)

場所 大阪府吹田市山手町3丁目3−35  関西大学千里山キャンパス 100周年記念会館

次第

(1) 議事総会・第2回租税法学会賞授与式 (午前10時〜10時45分)

会務報告、会計報告、その他

(2) 研究総会 (午前10時45分〜午後5時05分)

オープンイノベーション時代の企業課税

①研究報告

「法⼈課税の現在地とその課題」報告:渡辺徹也(早稲田大学)コメント:安井栄二(立命館大学)

「配当課税の構造と問題」報告:小塚真啓(岡山大学)コメント:増井良啓(東京大学)

「パススルー課税の現状と未来」報告:田中啓之(大阪大学)コメント:高橋祐介(名古屋大学)

「経済のデジタル化と国際課税」報告:大野雅人(明治大学)コメント:宮本十至子(立命館大学)

②質疑討論

02 August 2022

National Tax Journalで、Kleinbard追悼

Stateless incomeで有名なEdward Kleinbardさんががんで亡くなったのが2020年7月のこと。National Tax Journalはすぐに弔辞を出していたが、その後追悼のフォーラムを開き、2022年6月号(Volume 75, Number 2)で3本の論説を公刊した。多くの論者に惜しまれる人だった。敬意を表し、以下にそのリンクを張っておく。

FORUM: APPRECIATING A PRACTITIONER AND SCHOLAR ON A MISSION TO IMPROVE FISCAL POLICY: A FESTSCHRIFT IN HONOR OF EDWARD KLEINBARD