交際費の認定事例で,原審東京地裁平成21・7・31判例時報2066・16を維持。オリエンタルランド事件。
1)交際費の認定にあたり,一般論として「支出の相手方,支出の目的及び支出に係る法人の行為の形態」を考慮することが必要であると述べ,この基準を事実にあてはめるという論証構造。もっとも,従来の2要件でも結論は変わらなかったのではないか。
2)X社は清掃業務をB社に委託し,B社がC社に再委託した。
X社→B社→C社
D
裁判所は,委託料差額がB社を支配するD個人に対する「謝礼又は贈答の趣旨でなされたと認めるのが相当」であるとし,Dが「その他事業に関係のある者等」にあたるとしている。Dの接待等のために支出しているという構成が,興味深い。
3)X社はまた,遊園施設への優待入場券を,取引先企業やマスコミ関係者に交付した。
X社→ 取引先企業・マスコミ関係者
裁判所は,優待入場券を使用して遊園施設に入場したときに,取引先企業・マスコミ関係者に対し,「Xの提供する役務に係る原価のうちその者に対応する分につき費用の支出があった」とした。交付自体を支出とみていないのは,どうしてだろうか。益金側で売上金額を計上することに,困難があったのか。
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