これまで、授業での口頭でのやりとりを機会に、このブログで補足した記事があります。もともとはみなさんの先輩方のためのものでしたし、それぞれを書いた時期もばらばらです。しかし、今回の授業でお役に立つことがあるかもしれません。そこで、いくつかをリストアップしておきます。
J-TaxNotes
J-TaxNotes は、租税法の展開をその時々に記録する研究ノートです。日本の租税判例、国際課税、税務行政・コンプライアンス、消費税・VAT、AI、租税史などを扱っています。2010年からの継続的定点観測。
2026/09/24
国際租税法第5版の刊行、さらに追記
増井良啓・宮崎裕子『国際租税法』第5版の刊行についてポストし、追記までしたのですが、どうも一回の追記では済まなかったようです。さらにお伝えしたいことが出てきました。追記が本体より長くならないうちに、いくつか書いておきます。
1.最終章を「2つの柱」に充てたこと。Pillar Oneにはもう芽がないのではないか、それなのになぜ教科書で取り上げるのか、というご批判があります。しかし、本書で大事にしたかったのは、現在動いているルールの説明だけではありません。なぜPillar Oneが提案され、どのような問題に対応しようとし、どこで停滞したのか。その経緯をおさえることは、これからの国際課税を考えるうえで意味があります。むしろ、Post-Pillar Oneの世界がどこへ向かうのかを展望するためには、ここまでの議論を知っておくことは不可欠と考えました。なお、Pillar Oneに関するこのような見方は、日本における先行業績として、この本でも共有されています。
2026/09/19
国際租税法第5版の刊行、追記
このたび、増井良啓・宮崎裕子 『国際租税法』第5版を、東大出版会から刊行していただきました。そのことをここでポストしたあと、さらにお伝えしたいことが出てきたので、以下に追記します。
今回の改訂では、コラムの数をかなり減らしました。ただし、コラムで扱っていた内容を単純に削ったわけではありません。現在の叙述の流れの中で扱った方がよいと考えたものは、相当数を本文に組み込んでいます。その意味では、内容を減らしたというよりも、本文とコラムに分かれていた叙述を組み直した、という方が正確です。制度の説明と、その背景にある考え方や具体例とがつながりやすくなり、全体として叙述の一体性が高まったと思います。
2026/09/18
国際租税法第5版の刊行
このたび、増井良啓・宮崎裕子 『国際租税法』第5版を、東大出版会から刊行していただきました。
第4版を刊行したのは2019年でした。それから7年の間に、国際課税をめぐる環境は大きく変わりました。OECD/G20 BEPS包摂的枠組みの「2つの柱」をめぐる議論が進み、とりわけグローバル・ミニマム課税は各国の国内法として実施される段階に入りました。他方で、こうした新しい動きだけを追えばよいわけではありません。国内法と租税条約の入り組んだ関係を、具体的な取引に即して見通しよく理解することは、国際租税法を学ぶうえで今も変わらないコアだと考えています。
2026/09/15
CUHK–KCL Annual Conference on Tax, Trade, and Investment Law
2026年9月10日と11日、香港中文大学(CUHK)とKing’s College Londonの合同研究会に出席してきた。Leopoldo Parada さん(KCL)のお誘いによる。会合の正式名称はThe CUHK–KCL Annual Conference on Tax, Trade, and Investment Lawだ。日本からは福永有夏教授(早稲田大学)が参加されていた。
プログラムは、Day1に国際課税のパネルが2本、通商・投資のパネルが1本ずつ。Day2は、いくつかの平行セッションに分かれて、ペーパーのプレゼンと質疑応答があった。ぼくは、Beyond Double Taxation: The Making of the 1970 Japan-Korea Tax Treaty in Historical Contextという題目で、1970年日韓租税条約の締結過程から得られる示唆を議論した。Noam Nokedさん(CUHK), Brian Galleさん (UC Berkeley), Doron Narotzkiさん (Akron)などから有益なインプットをもらった。