2026/08/11

Musgraveは韓国で何を助言したのか

1.二度の邂逅と最近の発見

Richard A. Musgrave教授(1910–2007)には、二度、お目にかかったことがある。

一度目は1992年、私が米国ハーバード大学のInternational Tax Programにいたときだった。Musgrave教授がゲストとしてクラスにお越しになり、その場には金子宏先生も出席されていた。二度目は1997年、京都で開催された第53回国際財政学会(IIPF)大会だ。たまたまMusgrave教授がお一人で歩いていらっしゃるところに出会い、「ハーバードで先生のお話をうかがいました」とご挨拶したところ、にこやかに応対してくださった。

2026/07/21

International Tax Observatoryが、CFCルールと柱2の相互関係についてペーパーを出していた

 Alice Chiocchetti, Samuel Delpeuch, and Giulia Varaschin, Three Lessons on the Interaction Between CFC Rules and Pillar 2である。これは、6月末の欧州委員会の簡素化パッケージに含まれていたCFC改正提案に対する、明確な対抗提案だ。

この政策ノートは、GlobeルールはCFC税制を不要にするものではなく、両者は補完関係にあると結論づける。表題にいう「3つのレッスン」とは、

2026/07/18

利益Aの次を構想する―IMFのワーキングペーパー

 IMFのスタッフが、越境サービスの課税手段を総ざらえするワーキングペーパーを出していた。Shafik Hebous, Brendan Crowley, Rasmi Das, Tibor Hanappi, Cory Hillier, Adam Jakubik, Eric Robert, and Christophe J Waerzeggers. "Taxing Cross-Border Services", IMF Working Papers 2026, 152 (2026), accessed 2026/7/18, https://doi.org/10.5089/9798229055048.001

この論文は、越境サービス(とりわけデジタル化されたサービス)に対する各種の課税手段を、消費課税、所得課税、租税条約、租税回避防止措置を横断して整理する。利益Aがつまづいた後、越境サービス課税の全体像を整理し直して、次の多国間合意のための設計原理を提示する論文と位置付けることができよう。

2026/07/17

東京高判令和6年4月11日 棚卸資産の判断基準

1.ある特別目的会社が、本件物流施設(6階建ての倉庫)を取得し、譲渡した。納税者が16億円の消費税還付申告、課税庁が消費税の更正処分。事案から推測すると、おそらくプロロジスパーク茨木の案件だろう。浅妻章如「ブログだったもの」が、研究会の記録をアップしている(驚くべきことに研究会終了とほぼ同時だった)。

2026/07/13

もりだくさんの令和8年度消費税法改正

令和8年度税制改正の解説が出たので、「消費税法等の改正」を読んでみた。越境EC取引に関する改正を含め、今年の消費税法改正はもりだくさんだ。