【これまで】
3) 上記の「法学全体の研究潮流」は、どんなソースに依拠して、記述しているのか?
【今回】
この3)の結果をみると、リンク先の文献が存在することは確認できた。しかし、参照している文献に偏りがあるのでは、と気になる。そこで、文献バイアスのチェックをやってみよう。ちょっと迂遠なやり方だが、別のプロンプトで、次のようにきいてみた。
4) いま、法学は何が面白いか?日本語文献に加え、英語・仏語・スペイン語・中国語の文献にも目を配って、公法学・私法学・基礎法学を問わず、解説せよ
すると、ChatGPTは次のテクストを生成してきた。思考時間58秒。
以下引用++++++++++++++++++++++++++++
以下は、2026年初頭の時点で「いま法学が面白い」と言える論点を、公法・私法・基礎法を横断して“研究の争点(research frontier)”として整理したものです。結論から言うと、**対象(社会の変化)と方法(研究技法)**が同時に更新されているのが、いまの面白さの源泉です。
1. いま法学が面白い理由(総論)
対象が「国家×市場×技術×地球」に拡張した
AI・データ・プラットフォームが、行政・企業・司法・生活を貫く“新しいインフラ”になり、憲法・行政法・民刑法・知財・国際法まで一気に接続されました(例:AIの透明性、説明責任、著作権、差別、国家安全保障)。EU AI Actの施行スケジュールを見ても、規制が「理念」から「執行・実装」段階に入っています。 (Sénat)
気候変動は、環境法だけでなく、行政訴訟・憲法(将来世代)・会社法(取締役の注意義務)・金融規制(サステナブル投資)・国際法(適応・損失と損害)を束ねる巨大テーマになっています。 (ロンドン政治経済学校)
方法が「ドグマ」一辺倒から“混成(ハイブリッド)”へ
実証・計量・計算社会科学が、解釈学と競合するのでなく接合され始めています(判例・立法過程・行政裁量・契約文言・制裁実務のデータ化)。欧州でも Empirical Legal Studies の組織化が進み、学会・会議のインフラが整っています。 (Esels)
生成AIが、研究対象であると同時に研究手段になり、「法学の知の生産」自体が問い直されています(引用の真正性、学説形成の速度、教育の再設計)。 (papers.ssrn.com)
2. フロンティア①:AI・データ・アルゴリズム統治(Digital/AI Governance)
何が面白いか(争点)
規制の型:リスクベース(EU)/推進法型(日本)/行政的統制+産業政策の複合(中国)など、設計思想が分岐し、比較法がそのまま政策論になる。 (Sénat)
“法の実装”:条文解釈だけでは終わらず、監督当局・標準化・監査・ガバナンス文書(チャーター)まで含む「制度生態系」を読む必要がある(公法と私法の境界が溶ける)。フランス行政裁判所(Conseil d’État)の司法内部向けAI利用憲章は象徴例。 (Conseil d'État)
法学の教育・実務も巻き込む:AIがリサーチや起案を代替し、法曹・裁判・行政の職能設計が再編される。 (inlibra.com)
言語別「入口」文献(例)
日本語:AI規制論の整理(法科大学院ローレビュー) (sllr.j.u-tokyo.ac.jp)/日本のDXと法(『法律時報』特集) (nippyo.co.jp)/日本のAI法(e-Gov・内閣府まとめ) (e-Gov 法令検索)
英語:生成AIと法学研究の将来(SSRN) (papers.ssrn.com)
仏語:生成AIと法曹職、EU AI規則の射程(仏上院報告) (Sénat)/行政裁判所のAI利用憲章 (Conseil d'État)
独語:法のデジタル化(Max Planck系の論集) (pure.mpg.de)/EU AI規則(KI-VO)運用論点(BeckのRDi) (RSW)
西語:デジタル法・フロンティア技術の特集号(IUS ET SCIENTIA) (revistascientificas.us.es)/民主主義とAI・DSA等(Revista de Derecho Político) (revistas.uned.es)
中国語:デジタル法学の研究動向(人大・月報) (lti.ruc.edu.cn)/ネット法治・AIガバナンスの年次報告(CAICT等) (caict.ac.cn)
3. フロンティア②:プラットフォーム規制・ダークパターン・情報環境
何が面白いか(争点)
表現の自由・消費者保護・競争政策・個人情報保護・刑事法(詐欺・名誉・ハラスメント)が、**同じ現場(UI/UX・推薦アルゴリズム・広告)**に折り重なる。
研究は「価値」だけでなく「設計」へ:ダークパターン研究のように、法学がHCIや実証レビューと接続して“規制の対象定義”そのものを作っていく。 (サイエンスダイレクト)
日本でもプラットフォーム規制を包括設計する科研プロジェクトが走っており、学界側の研究組織化が見える。 (KAKEN)
4. フロンティア③:気候訴訟・将来世代・サステナビリティ(公法×私法の合流)
何が面白いか(争点)
訴訟が政策を動かす(政府枠組み訴訟/企業責任訴訟)。世界の年次スナップショットが整備され、比較研究が急速に進む。 (ロンドン政治経済学校)
グローバル・サウスの法形成:北だけが規範を作る構図が揺らぎ、気候訴訟の地図が塗り替わる。 (OUP Academic)
会社法・金融法の中核化:サステナブル投資、取締役の義務、開示とグリーンウォッシュ規制は、私法の“周縁”ではなく中心争点。 (OUP Academic)
5. フロンティア④:法秩序の分断と接続(地政学・経済安全保障・越境規制)
何が面白いか(争点)
データ移転・輸出管理・制裁・サプライチェーンなどで、国際法・国内公法・私法(契約・準拠法・仲裁)が同時に動く。
“一つのグローバル法”ではなく、複数レジームが並立する 断片化/多元的法秩序(legal pluralism) を、どう統治するかが基礎法学・法理論のど真ん中になっています(AIと多元秩序を結ぶ議論も出ている)。 (ResearchGate)
6. フロンティア⑤:研究手法としての「データ化された法学」
何が面白いか(争点)
判例・立法・行政裁量・監督執行のデータを用いて、**解釈学の前提(何が問題になっているか)**を経験的に描ける。
ただし「正しさ」は自動では出ない:生成AIの利用は、引用・判例参照の真正性問題を露呈させ、学術倫理・プロセス設計が研究テーマ化しています(実務でも“ハルシネーション事件”が問題視)。 (Cinco Días)
7. 6言語で読むための、最小限の“棚”の作り方(実務的提案)
共通テーマで束ねる:AI/気候/プラットフォーム/越境規制/手法(実証)で文献を集めると、言語をまたいで比較しやすい。
各言語で「年次報告」「特集号」「官庁白書」を起点にする:
日本:特集号(DX×法) (nippyo.co.jp)
仏:上院報告・司法内部ガイドライン (Sénat)
独:専門誌エディトリアル(AI規則の適用局面) (RSW)
西:デジタル法の特集号 (revistascientificas.us.es)
中:ネット法治・デジタル法学の年次/月次動向 (caict.ac.cn)
英:SSRN+大学研究所レポート(気候訴訟など) (papers.ssrn.com)
【とりあえず、これでおしまい】