21 March 2015

PPL Corp. & Subsidiaries v. Commissioner, 133 S.Ct.1897 (2013)

外国税額控除に関する米国連邦最高裁判所の判決。英国で保守党政権が国有企業を民営化したのち、1997年に政権をとった労働党がwindfall taxを立法化して、1回限りの課税を行った。これが、米国法上、外国税額控除の対象となるかどうかが争われた。米国連邦最高裁は、このwindfall taxは古典的な超過利潤税であるとして、外国税額控除を認めた。

浅妻教授の判例解説がアメリカ法2014-1に出ている。日本におけるガーンジー島事件最高裁判決との比較もされている。この公開ページでは、アメリカ法に出ていない部分も読め、リンクも張ってくれている。

この事件の存在を念頭におくと、2014年に英国がDiverted Profits Taxの導入をアナウンスした直後に、同税が米国で外国税額控除の対象となるかどうかが議論されたことも、きわめて自然なことに見える。対象となると論ずることで、BEPS行動計画へのコミットメントを強めようという力学が働いているのが、歴史の現時点におけるおもしろい磁場である。

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