もう1年近く前、2021年2月に、租税法入門第2版(有斐閣2018)を、安佐鎮判事が韓国語版にして公刊された(博英社2021)。全体を丁寧に翻訳してくださっただけでなく、500個を超える脚注を付して詳細な韓日比較を行うとともに、付録として日本租税法令の基本条文を翻訳された。日本語版が比較的ハンディーな本であるのに対し、韓国語版は物理的にもずっしりと重い本である。
このたび、釜山のキム・セヒョン部長裁判官が、租税法研究2021年12月号539-541頁に書評を寄せてくださったと知った。この書評は、2021年12月27日付の法律新聞でも紹介された。書評の日本語訳を拝読し、原著に対する過分なお言葉に恐縮する。同時に、安判事の日韓租税法に対する深く正確な理解や、「翻訳者としての中庸」を堅持される姿勢など、安判事のお人柄を知る者にとって、いかにもその通り、と膝を打つ指摘をうれしく思った。
この本の初版を日本で公刊したおりに、須藤典明判事の「租税法の明日を求めて」と題する書評に接し、感激したことを、昨日のことのように想い出す。他の方のご本をきちんと読んで、著者の気持ちを奮い立たせるような書評を書くことが、自分にはできるだろうか。
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