28 March 2022

日税研論集80号

日本税務研究センターの金子宏教授共同研究会の成果として、日税研論集80号(所得税改革の国際的動向)が発刊された。

その一部として、私の論文「英国所得税改革の動向」を掲載していただいた。この論文では、労働所得課税の改革論を紹介し,所得税とNIC (国民保険料)との調整が熱心に論じられていること,その中で人的役務会社を介した雇用スキームが問題とされてきたこと,給付つき税額控除が制度的に定着してきていることをみた。さらに,視点を変えて,キャピタルゲイン税の改革論として,税制簡素化庁(OTS)が報告書を公表し,制度設計上の問題から実務的な論点までを広範に論じていることを紹介した。日本とは一味違う英国所得税の「肌触り」といったようなものをお伝えすることができていれば幸である。

ちなみに、以前のこの書評が英国の「長い19世紀」における所得税の定着を対象にしていたのに対し、今回の論文は21世紀に入ってからの動きをたどるもの。



07 March 2022

新日本法規財団の奨励賞

1年ほど前に論文表彰サイトのまとめをつくたが、その後、追加の必要を感じていた。今回、第11回 新日本法規財団 奨励賞がウェブサイトに載ったので、コピペしておく。要旨を閲覧できる。個人的に存じている方がお二人も入賞。おめでとうございます!

第11回 新日本法規財団 奨励賞

【会計・税制分野】

◆最優秀

・澤井 謙太(立命館大学大学院経済学研究科 博士課程前期課程修了)

「グループ課税制度における子法人株式の課税問題〜二重課税及び二重控除の調整方法を中心に〜」  要 旨

◆優 秀

・錦織 俊介(名古屋国税局)

「消費税の納税なき仕入税額控除とカルーセルスキーム」 要 旨


【会社法制分野】

◆最優秀

・Ubaydullaev Davronbek(ウバイドゥラエフ ダブロンベック)(名古屋大学大学院 法学研究科)

「法人格否認に関する抵触法的考察―ロシア法及び日本法からのウズベキスタン法への示唆―」 要 旨

◆優 秀

・Udomsuvannakul Poompat(ウドムスワンナクン プームパット)(Chandler MHM 法律事務所)

「アメリカにおけるD&O保険に関する法的規律の歴史的考察」 要 旨