この本は社会学の本ではない。・・・
社会学の本でないなら,何の本なのか,と問われれば,ブルデューへのわたしのオマージュであると答えよう。(「あとがき」より)人間として,知識人として,社会学者として,どういう人であるかを識るからこそ書けるオマージュだ。ブルデューの同時代知識人に対する評価と ブルデュー社会学の理論的骨格がくっきりと浮かび上がる。終章「若い読者のために」は,必ずしも若くない読者(これから社会学に限らず幅広い諸学問領域に参入しようとする学生)にとっても,ブルデューの何をどう読むかを明快に教える。