池上岳彦編『現代財政を学ぶ』(有斐閣2015年)36頁のコラム「もうひとつのシュンペーター像」は、想像できないほど人間くさいシュンペーターの日記を紹介している。母親と妻アンナに先立たれた彼は、毎日、彼女らへの祈りの言葉を丸で囲んで書いたという。「私を助けたまえ。」「数学ができない、助けてくれ。」「自分はバカになったようだ、助けてくれ。」などなど。
このコラムには、塩野谷祐一「シュンペーターの野心―その人生と学問」という2007年の講演のリンクが付されている。これである。読んでみると、これがまたおもしろい。国際ワークショップもあったようだ。
それにしても、自分の日記がこうして広く人々の眼に触れることを、シュンペーター本人は予想していたのだろうか。