Satoru Araki, Regional Cooperation and Tax Information Exchange among Asia-Pacific Tax
Authorities, Asia-Pacific Tax Bulletin, Vol. 21, No. 4 (2015)によると、東南アジアのミャンマー、タイ、ベトナム、カンボジア、パプアニューギニア、そしてモンゴルといった国々が、OECDのGlobal Forumに入っていない。
たしかに、他の地域と比べても、緊密な相互交流が弱いという感じはずっともっていた。しかし、こうして論文の形で、政府間の租税情報交換の現状をつきつけられてみると、やはり事実は重いし、課題は租税情報交換にとどまらないと思う。途上国の中でも行政資源不足に悩む国にとっては、国際課税の視点と、開発経済の視点をうまく組み合わせる必要があり、この論文の著者のようなアプローチが望まれる。
そういっているうちに、欧州では、独蘭がルーリングの自発的情報交換につき合意したという発表に接した。ニュースになりやすいそういった状況からはかなり遠いのが、東アジアの現状である。もちろん、歴史的・社会的・経済的に多様な要素を抱えている以上、こうなっていることにも理由はあるのではあるが・・・。