11 September 2023

New Delhiで、G20首脳宣言

G20首脳宣言の日本語仮訳が外務省サイトに出ていた。国際課税はパラグラフ62。原文では改行なしに文章が続くが、ここでは見えやすいよう、勝手に分解して引用する。下線は今後の作業日程に関する言及であり、引用者が勝手に下線を付けた。サミットに先立ち、OECD事務総長からG20首脳への報告書が出ているので、それを参照して、これも引用者が勝手に、首脳宣言の言及する報告書などにリンクを張っておいた。

  • 我々は、21世紀のニーズに応じて、グローバルに公正で、持続可能かつ現代的な国際課税システムに向けた協力を継続していくことに対する我々のコミットメントを再確認する。
  • 我々は、2本の柱の国際課税パッケージの迅速な実施に対して引き続きコミットしている。多数国間条約(MLC)の条文の取りまとめ、利益B(国内の基礎的マーケティング及び流通活動に係る独立企業原則適用の簡素化及び合理化のための枠組み)に関する作業を含む第一の柱において、また、第二の柱における租税条約上の最低課税ルール(STTR)に関する作業の完了において、大幅な進展があった。我々は、包摂的枠組みに対して、2023年後半にMLCを署名できるよう準備するため、MLCに関するいくつかの懸案事項を速やかに解決することを求め、2023年末までに利益Bに係る作業を完了させることを求める。我々は、各国が共通アプローチとしてのグローバルな税源浸食対抗(GloBE)ルールの実施のために講じた措置を歓迎する。
  • 我々は、2本の柱の国際課税パッケージを効果的に実施するための能力構築に向けた協調した取組の必要性を認識するとともに、特に途上国に対する追加的な支援及び技術支援の計画を歓迎する。我々は、途上国及び国際課税に係るG20/OECDロードマップに関する2023年のアップデートに留意する。
  • 我々は、暗号資産等報告枠組(CARF)及びCRSの改訂の迅速な実施を求める。我々は、著しく多くのこれらの法域が2027年までにCARFによる情報交換を開始するという強い願望を踏まえ、税の透明性及び情報交換に関するグローバル・フォーラム(「グローバル・フォーラム」)に対して、関連する法域による情報交換を開始する適切かつ調整されたタイムラインを明らかにし、その作業の進展について我々の将来の会合に報告することを要請する。我々は、不動産に関する国際課税の透明性の向上についてのOECD報告書及び租税条約に基づき交換された税務情報の税以外での目的での使用の促進に関するグローバル・フォーラムによる報告書に留意する。