14 August 2015

米国財務省2016年グリーンブックの国際課税関係の提案につき、紹介と分析が出ていた

一高龍司「米国財務省『2016財政年度歳入提案に係る一般的説明』における国際課税関係の提案―19%ミニマム税を含む―」租税研究790号447頁(2015年8月)である。提案の目玉が19%ミニマム税であることを指摘している。

ここに19%ミニマム税とは、ざっくりいえば、海外に被支配会社(CFC)を置いている米国法人に対して、19%から国別外国実効税率の85%を控除した税率によって、送金の有無を問わず即時課税するものであって、現在のSubpart F税制の補完である。

一高教授は、財務省のこの提案が「米国法人に対する国際課税の基本設計の見直しを図るもの」としたうえで、次の4点を指摘する。いずれも示唆に富む。

  • Shaviro提案との類似性
  • 米国法人を親会社とする多国籍企業グループへの影響
  • ミニマム税を賦課されるCFCの居住地国の反応
  • 租税条約などとの関係
他にも、ミニマム税への移行時に、CFCに蓄積されてきた利益に対して1回限りで14%税率で課税する提案などが、財務省提案の中には含まれている。実現可能性は別として、オバマ政権の考え方を示す文書である。グリーンブックの本体はこれ

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