IFA香港支部主催のウェブセミナーのタイトルが「Other types of competiton」となっていて、どういうことなのかなと思っていた。実際にセミナーを視聴したところ、柱2のGloBEの影響にかんがみて、租税競争からほかのタイプの国家間競争に移行する可能性があるか、という問題提起だった。
セミナーは60分、次の5つの問いをめぐって経験者が自由に語る、というスタイル。
- 米国Biden tax proposalsが柱2に与える影響は?
- 香港やシンガポールはどう対応すべきか?
- 柱2は競争をなくすか?
- 税率で競争できないなら、他の手段で競争することになるか?
- 各国が投資家に受け入れられるためにはどうしたらいいか?
問題設定の理論的基礎になっていたように思われるのが、パネリストの一人が書いたこの論文だ。From Tax Competition to Subsidy Competition, 42 University of Pennsylvania Journal of International Law 445 (2020)
視聴してみて、アジア太平洋の投資環境が、国家補助に対するEU法上の規制がかかる欧州と異なるということを改めて感じた。5つの問いのうち、4や5では、TPPのことや、租税の確実性のことなどに言及されていた。
なお、途中で出てきた議論には、Noam Noked, Defense of Primary Taxing Rights, 40 Virginia Tax Review 341 (2021)の分析が顔を出していた。
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