Alice Chiocchetti, Samuel Delpeuch, and Giulia Varaschin, Three Lessons on the Interaction Between CFC Rules and Pillar 2である。これは、6月末の欧州委員会の簡素化パッケージに含まれていたCFC改正提案に対する、明確な対抗提案だ。
この政策ノートは、GlobeルールはCFC税制を不要にするものではなく、両者は補完関係にあると結論づける。表題にいう「3つのレッスン」とは、
- 適用範囲と対象リスクが異なる
- CFC税制には租税回避抑制効果がある
- 柱2の実効的な最低税率は制度上、15%を下回る可能性がある(SBIE, QRTC, Side-by-Side Packageなどによる)
というもの。これを受けて、EUがその租税枠組みの将来的な簡素化を検討するに当たって、政策立案者は、CFC税制を維持・強化し、その制度設計の一層の調和を追求するとともに、グローバル・ミニマム課税の実効性を高めるための取組みを継続すべきだ、とする。
いくつかコメントしておこう。
- GlobeルールはCFC税制を不要にするものではなく、両者は補完関係にある、という基本線は、新奇な主張ではない
- International Tax Observatoryは、パリ経済学校に置かれる独立研究機関で、Gabriel Zucmanが率いている
- 欧州委員会の提案との関係では、「CFC税制の調和」という点では一致するが、「Globeルール対象企業に適用を維持するか」という点において、正面から対立
- 企業側からは、「租税回避による社会的費用を重視しすぎ、重複規制の費用を過小評価している」との批判がありうる
- 租税回避防止を重視する点では途上国の問題意識と共通するが、制度設計としてはかなり居住地国中心
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