25 November 2015

独豪租税条約が,BEPS行動15の多国間条約を先取りしていた

2015年11月12日に,新独豪租税条約が署名された。ドイツ側の発表はこれオーストラリア側の発表はこれ

注目されるのは,2015年10月に発表されたBEPS行動15(多国間条約の策定)の具体化に先行して,すでにして行動6や7の内容を取り込んでいることだ。
  • タイトルと前文が,租税回避の防止を含んでいる
  • 1条2項が,透明事業体についてのルール
  • 5条のPEの定義が,契約分割や補助的活動,コミッショネアなどへの対策を盛り込む
  • 11条4項の利子条項で,back-to-back financing arrangementへの0%税率適用を排除
  • 23条1項でLOB,2項でPPT,そして3項で国内法上の租税回避防止規定の適用可
ただし,savings clauseは入っていない。また,次の点も注目に値する。
  • 7条は旧型であり,AOAは取り入れなかった
  • 28条で,源泉税還付の手続ルール
  • 30条で,個人情報保護のルールを明記
BEPS成果物の租税条約に関する部分が,二国間で実施されてきているかなり早い例である。もっとも,すでに2015年7月8日に署名されたNZとサモアの間の条約例があり,一番早いというわけではない。

Treasury CrestWortbildmarke: Bundesministerium für Finanzen, Link zur Startseite


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