注目されるのは,2015年10月に発表されたBEPS行動15(多国間条約の策定)の具体化に先行して,すでにして行動6や7の内容を取り込んでいることだ。
- タイトルと前文が,租税回避の防止を含んでいる
- 1条2項が,透明事業体についてのルール
- 5条のPEの定義が,契約分割や補助的活動,コミッショネアなどへの対策を盛り込む
- 11条4項の利子条項で,back-to-back financing arrangementへの0%税率適用を排除
- 23条1項でLOB,2項でPPT,そして3項で国内法上の租税回避防止規定の適用可
ただし,savings clauseは入っていない。また,次の点も注目に値する。
- 7条は旧型であり,AOAは取り入れなかった
- 28条で,源泉税還付の手続ルール
- 30条で,個人情報保護のルールを明記
BEPS成果物の租税条約に関する部分が,二国間で実施されてきているかなり早い例である。もっとも,すでに2015年7月8日に署名されたNZとサモアの間の条約例があり,一番早いというわけではない。
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