20 December 2015

新日独租税条約,BEPS行動に対応

2015年12月17日に署名。日本側のプレスリリースはこれ。ドイツ側のはこれであり,条約のドイツ語テクストはこちらのみにリンクがある。かねてより,ドイツの条約交渉方針は2013年8月22日にリリースされており,事業所得条項でAOAを取り込むことが既定路線だった。検索してみたら,先のリリースへのリンク先はいつの間にか削除されていた。

今回は,AOAの取り込みに加えて,BEPS行動に対応して表題や前文からして新しくなっている。すなわち,表題は
所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のためのドイツ連邦共和国と日本国との間の協定
となっていた。また,前文は
日本国及びドイツ連邦共和国は、
両国間の経済関係の一層の発展を図ること及び租税に関する両国間の協力を強化することを希望し、
所得に対する租税及びある種の他の租税に関し、脱税又は租税回避を通じた非課税又は課税の軽減(第三国の居住者の間接的な利益のためにこの協定において与えられる租税の免除又は軽減を得ることを 目的とする条約漁りの仕組みを通じたものを含む。)の機会を生じさせることなく、二重課税を除去するための新たな協定を締結することを意図して、
次のとおり協定した。
となっていた。条約漁りに対抗してLOBとPPTを入れ(21条),仲裁条項を入れる(24条5)など,面目を一新している。

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