09 December 2025

IFA日本支部でAvi-Yonah講演

Avi-Yonah教授が訪日し、東京でセミナーを開いてくれた。米国はGILTI/NCTIとCAMTでもってUS MNEに厳格な全世界所得課税をしているから、OECDはside-by-sideを受け入れるべきだ、という彼の主張を展開。米国系多国籍企業がexcess limit(15%限度額との関係で余裕のある状態)であればglobal blending(averaging)であろうが国別限度額管理であろうが違いはない、という数値例は、Should the OECD Accept GILTI as an Income Inclusion Rule?で展開していたことの要領のいい解説。さらに、同日付けのTax Notes International誌で公開されたCan Side by Side Work?の内容なども含まれていたが、記事自体は1か月はpaywallの中とのこと。共存を甘受せよ、という線を超えて、Rest of the Worldは(より優れている)米国型の制度を採用せよ、とまでいうところが刺激的。いわく、

The solution to these problems is for the OECD to follow the United States’ lead by abolishing SBIE and QRTC and require QDMTT countries to adhere to the same transfer pricing and sourcing rules that OECD countries have.

1時間の講演のあと、びっしり1時間、質疑応答ができた。通訳の方の優秀さが印象的。発言者名とともにテープ起こしが租税研究に掲載される予定。ここでは超速報版として、私の手控えでフロアからの質問骨子のみ書いておく。

  • 国別限度額方式は事務負担重いので、やめたら?
  • 国の競争力なのか、企業の競争力なのか?
  • Pillar 2をglobal blendingにしたら?
  • Side-by-sideに対するGlobal Southの反応は?
  • 「米国がUS MNEに厳格な全世界所得課税をしている」ということから、なぜ「OECDはside-by-sideを受け入れるべきだ」といえるのか?
  • Safe harborだけで十分では?
  • 「US MNEのほうが不利だ」というのは、米国内ではどう受け止められているか?
  • 米国以外でexcess credit(限度額超過)の国は?
  • Single Tax Principleとの関係は?
  • インドネシアのIFA会合?
  • Pillar 2のequity loss gain?
  • averagingはやはり大事?

セミナーのご案内は、IFA日本支部のウェブサイトで、以下のとおりだった。

2025年12月開催IFA 日本支部セミナー(対面形式)のご案内

 このたびIFA日本支部セミナーを日本租税研究協会との共催で下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。なお、今回は対面方式での開催となります(同時配信はありませんが、後日の録画配信があります)。

 みなさまのご参加をお待ちしております。

【日  時】2025年12月8日(月)13:30-15:30

【場  所】AP東京丸の内(千代田区丸の内1-1-3 日本生命丸の内ガーデンタワー 3F)

【内  容】The United States and Pillar 2

【講  師】ミシガン大学 Reuven S. Avi-Yonah教授

 講演は英語で行われますが、通訳がつきます。

 お申し込みはこちらから可能です。お申込みに必要なID・PWはお送りしたメールに記載されております。 

(2025/10/9)

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