2026/10/10

IMF(2026) Intangible yet real

直近のIMF『世界経済見通し』第3章は、Intangible Yet Real: Spillovers from Corporate Income Taxationと題されており、注目文献。BEPS対策などの国際課税改革によって、国家間の法人税競争は消滅したのではなく、その形態が変化していると主張する。

すなわち、2010年代以降のBEPS対策、とりわけ移転価格文書化、利子控除制限、CFC税制などの強化により、多国籍企業の利益移転は以前より難しくなった。次の変化が生じている。

  • 利益移転から実体的投資へ:多国籍企業は、利益の計上場所だけでなく、設備投資や生産活動の立地そのものを税率差に応じて選択
  • 税率競争から税制優遇競争へ:法定税率の引下げ競争は弱まったが、投資控除や研究開発優遇などを利用した競争は続く
  • 国内効果から国際的波及効果へ:一国の法人税減税は国内投資を増加させても、他国から投資を奪い、他国の成長率を低下させる可能性

ただし、無形資産への依存度が高い企業では、利益移転の税率感応度がなお高く、BEPS対策後も明確には低下していない、とのこと。