2026/10/17

米国宛て郵便物の扱いについて、日本郵便がアナウンス

 2026年10月14日付けで、日本郵便が「米国宛て郵便物の引受け対象の拡大」というアナウンスを出していた。ちょっとややこしい内容なのだが、どうやら、概要は以下のようだ。

  • 翌15日から、米国宛て郵便物の引受けを原則として全国の郵便局に拡大する
  • 内容品価格2500ドル以下の物品を含む郵便物には、米国税関・国境警備局(CBP)への事前申告が必要
  • 発送者は、日本郵便が推奨する認証事業者ZonosまたはSafePackageのアプリ等を利用する
  • 書状・はがき等は対象外
  • 100ドル以下の個人間の真正な贈答品も、所定の郵便種別では免税のままなのだが、申告と手数料支払いが必要

ふーん、こんなことになってたのか。そこで、米国の少額輸入免税制度の見直しについて、ちょっと調べてみた。こんな感じだ。

米国のこの制度変更を受けて、日本郵便は、2025年8月27日に販売品等の引受けを停止していた。これは日本だけの対応ではなかった。万国郵便連合によれば、2025年8月29日の米国向け郵便量は前週同曜日比81%減り、88の郵便事業体が取扱いの全部または一部を停止したという。つまり、他の国から米国への郵便物の引受けについても、同様の対応が生じていたのだ。

さて、日本郵便は2026年4月14日、米国宛て郵便物の引受けを、利用者が認証事業者経由で関税を事前支払いすることを条件に、指定局では再開していた。それから6か月たって、今回の変更となったわけだ。

今回のアナウンスには、発送窓口の全国への拡大という利点がある。他方で、個人の贈答や小規模な越境ECについても、申告作業と民間手数料を生じさせる。たしかに、事前情報の取得は徴税・不正貨物対策に資する措置ではあろう。しかし、税関の執行費用が節約されても、必ずしも社会全体の費用が減るとは限らないのではないだろうか。

ここからは、かなり多くの課題を読み取ることができる。

  • 免税品にまで手続費用を負担させることが比例原則に適合するか?
  • 課税可否について民間事業者の判断にもし誤りが生じたらどういう責任関係になるか?
  • 取引コストの削減方策としてどういうことが考えられるか?→米国CBPは2026年10月8日付規則案電子申告等の拡大を提案
  • 米国少額輸入免税の消費者厚生・分配上の効果についての実証研究はどうなっているか?
  • EUのIOSS(Import One Stop Shop)と比較すると?