2026/10/19

Hall教授と租税政策

友人に教えてもらって、Jared Walczak, “Nobel Laureate Robert Hall and Tax Policy,” The Salt Road, October 12, 2026に接した。これは、2026年ノーベル経済学賞を共同受賞したRobert E. Hall教授について、彼の租税政策に関係する研究成果を次の6つの観点から整理するもの。

  • 1978年の消費に関する研究→消費は所得より安定的で、消費課税は所得課税より税収の変動が小さい。
  • Jorgensonとの1967年の共同研究→減価償却による取得費用の繰延控除は投資負担を増大させる。即時償却に合理性あり。
  • Rabushkaとのフラット・タックス構想→企業のキャッシュフロー課税と個人の賃金課税を組み合わせた消費課税の構想。
  • 賃金の硬直性に関する研究→労働課税の負担増加が短期的には賃金低下より雇用減少をもたらす可能性。
  • 起業家のリスク負担に関する研究→富裕税、高い累進税率、欠損金控除制限が起業を阻害しうることを示唆。
  • Jonesとの共同研究→生産性を左右する制度的基盤の重要性。特定企業への租税優遇など、レントシーキングを誘発する税制への批判につながる。

要するに、この記事は、Hallの研究を、消費課税や投資中立性、起業促進、租税制度の中立性を重視する税制改革論に結びつけて評価する。