25 May 2015

The Economist、海外資産隠しに対する米国の対応をチクリと批判

この記事である。米国政府は、FATCAをはじめとして、オフショア銀行口座への資産逃避に対抗する強い姿勢をとる反面で、得られたリストがあるのに効果的な法執行をしていない。というのがこの記事の主張。要旨の段落を引用すると、次のとおり。
But the American government has been nowhere near as energetic and effective as it claims. It has been slow to chase tax evaders exposed by data leakers; it has failed to follow promising leads on some of the biggest fish; it has pulled punches with the biggest banks, for fear of destabilising markets; it botched the most prominent prosecution of a Swiss banker to date; and it has treated whistleblowers shoddily.
内部通報者の扱いや、フランス政府のより強い対応との比較など、英国週刊誌の眼からみて米国のやり方がどう見えているかがわかる。

22 May 2015

OECD、「格差縮小に向けて(In It Together: Why Less Inequality Benefits All)」を公表

全体で332頁の政策文書である。日本語版のプレス・リリースが読める。

日本カントリーノートも、リリースされている。1980年代中盤からジニ係数が大きくなってきたことや、相対的貧困率がOECD平均を上回ることなど、すでによく知られたことが確認されている。

格差を是正し、包括的な成長を促すためには、労働がキーである。というのが、政策上の処方箋。このあたりが、再分配そのものを前面に押し出すピケティ「21世紀の資本」とやや異なる。

19 May 2015

米国最高裁、メリーランド州の個人所得税につき違憲判断

Comptroller of Maryland v. Wynne 575 U.S. ___ (2015)

メリーランド州の個人所得税には、州(state)の所得税と、カウンティー(county)の所得税がある。居住者が、他の法域で稼得した所得について、他の法域で納税すると、その税額は、州税からは税額控除できるが、カウンティーの税からは税額控除できない。これが州際通商を阻害し、連邦憲法のdormant Commerce Clauseに反するとされた。5対4の判決。

判決直後からいろんな論評がでている。たとえばこれ。もともと、おなじみの3名がAmicus Briefを書いていた


[2015年6月3日追記] この判決について、JOTWELLにコメントがでている。



16 May 2015

五月祭、アルコールパスポート制度が実施されていた

五月祭(大学の学園祭)で、お酒を飲むためには、アルコールパスポート(アルパス)が必要になっていた。免許証や学生証で年齢確認をして、リストバンドを発行する。それを身に着けていなければ、模擬店でお酒を買うことはできない。未成年者飲酒や、飲酒事故を防止するための措置。すでに昨年の5月祭でも実施していた。キャンパス外で買ったお酒をキャンパス内に持ち込む場合にも必要だとしている点は、enforcementの苦労がありそう。

公式マスコット

08 May 2015

Journal of Tax Administrationが発刊されていた

このサイトで見ることができる。第1巻第1号(2015年)末尾の文献ガイドは、英語圏で2014年に出た論文27本を要約しており、なかなか有益。

07 May 2015

税大講本の消費税法が、平成27年度版になっていた

このウェブページである。凡例をみると、「平成27年1月1日現在適用されている法令及び通達によって作成した」とある。したがって、平成27年度税制改正による「電子通信役務の提供」に係る内外判定基準の見直しや、リバースチャージの導入、登録国外事業者制度の創設のように、平成27年10月1日からの適用を予定している新ルールはカバーしていない。

税務大学校

01 May 2015

VAT比較法の教科書、第2版になっていた

もともと定評があった本であるが、第2版はさらにパワーアップした。NZをはじめとする新世界モデルの優位がはっきりとみえてくる。各国の判例も、学習に活き活きとした感じを与える。Wei Cuiさんが著者に加わって、中国の増値税に末尾の一章を割くなど、新工夫。

Value Added Tax