28 June 2021

OECD租税犯則事件対策の10原則、第2版に

OECD (2021), Fighting Tax Crime – The Ten Global Principles, Second Editionが出ていた。2017年の初版をアップデート。

10原則は以下である。

  • Principle 1 Ensure tax offences are criminalised
  • Principle 2 Devise an effective strategy for addressing tax crimes
  • Principle 3 Have adequate investigative powers
  • Principle 4 Have effective powers to freeze, seize and confiscate assets
  • Principle 5 Put in place an organisational structure with defined responsibilities
  • Principle 6 Provide adequate resources for tax crime investigation
  • Principle 7 Make tax crimes a predicate offence for money laundering
  • Principle 8 Have an effective framework for domestic inter-agency co-operation
  • Principle 9 Ensure international co-operation mechanisms are available
  • Principle 10 Protect suspects’ rights
国別報告書が別冊でついており、日本法についても250頁以下に記載がある。



22 June 2021

IFA Korea主催Webinarのご案内

 6月22日付けで、以下の案内が公告されていた。そのままコピペする。

  • IFA Korea主催Webinarのご案内

 IFA韓国支部から、IFA APAC webinar conferenceの案内が届きましたので、日本支部の皆様にもお知らせいたします。なお現在、日本と韓国の間に時差はございません。
 【開催日時】7月6日(火)15時~18時、7日(水)15時~18時
 【場所】Webinar(Online)
 【テーマ】First Session :Recent Development of Beneficial Ownership and Anti-avoidance Rules in the APAC Region

Second Session:Tax Treatment on the Transaction of Virtual Assets in the APAC Region

Third Session :Recent Development of International Tax Dispute Cases in the APAC Region  (パネリストとして、伊藤剛志会員がご参加されます。)

Fourth Session:Issues Relating to Taxation on Digital Economy and US Counter-measures
 
 詳細につきましては、こちらのリーフレットをご確認ください。またご登録もリーフレットから参加登録が可能です。ご関心のある方は奮ってご参加ください。           

                                      (2021/6/22)

17 June 2021

東京都直営食肉市場の消費税仕入税額控除

 2021年6月17日付けの朝日新聞に、「1億円申告漏れ 都直営食肉市場」という記事がでている。中身は消費税の仕入税額控除のよう。この記事は

  • 都債の返済で支出したお金を「仕入れ」に計上し、誤って消費税の控除を受けていたという
と伝えている。

前提として、東京都のような地方公共団体の行う事業については、一般会計や特別会計ごとに一の法人が行う事業とみなして、消費税法の規定を適用する(消費税法60条1項)。食肉市場の収支は都の特別会計で管理していて、消費税法の適用がある。ちなみに中央卸売市場地方公営企業で、食肉市場は11か所ある中央卸売市場でただひとつ肉を取扱う市場。品川駅の海側のところに位置しているらしい(コロナがおさまったら訪ねてみよう)。

記事によると(会員記事のため上記リンク先からはログインしないと読めない箇所だが)、都債の返済額として、元金の返済分を仕入として会計処理して、消費税の控除を受けていたという。そして、元金はそもそも仕入計上できないため、修正申告したとのこと。

なお、利子については、消費税法上の非課税取引になりそう。つまり、借手側からみて課税仕入れに当たらないので、やはり仕入税額控除がとれない。

追記 産経新聞の方が早かった。https://news.livedoor.com/article/detail/20373119/





11 June 2021

米国下院歳入委員会でtax gapの公聴会

公聴会のための資料はJCX-30-21 (June 07, 2021)
ビデオは31分すぎからはじまる

Date: Thursday, June 10, 2021 - 12:00pm

Location: 
This meeting will take place remotely via Cisco Webex video conferencing.

Panel 1

  • Mark Mazur, Deputy Assistant Secretary for Tax Policy, U.S. Department of Treasury
  • Doug O’Donnell, Deputy Commissioner for Services and Enforcement, Internal Revenue Service

Panel 2

  • Dr. Janet Holtzblatt, Senior Fellow, Urban-Brookings Tax Policy Center
  • Steven Dean, Professor of Law, Brooklyn Law School
  • Nina Olson, Executive Director, Center for Taxpayer Rights

06 June 2021

G7で柱1と柱2に合意

7か国財務大臣・中央銀行総裁声明(仮訳)(2021年6月5日 於:イギリス・ロンドン)(PDF:163KB)から、パラグラフ16を引用する(下線は引用者による)。

16.我々は、経済のグローバル化とデジタル化に伴う課税上の課題に対応するとともにグローバル・ミニマム課税を導入するために、G20/OECD BEPS 包摂的枠組みを通じて進められている努力を強く支持する。我々は、大規模で高利益の多国籍企業について 10%の利益率を上回る利益のうちの少なくとも 20%に対する課税権を市場国に与える、課税権の配分に関する公平な解決策に至ることにコミットする。我々は、新たな国際課税ルールの適用と、全ての企業に対する全てのデジタルサービス税及びその他の関連する類似の税制措置の廃止の間で、適切な調整を行う。また、我々は、国別での 15%以上のグローバル・ミニマム課税にコミットする。我々は、2 つの柱について並行して合意を進めることの重要性に同意し、7 月の G20 財務大臣・中央銀行総裁会議において合意に至ることを期待する。

このテクストに出てくる「大規模で高利益の」とか、「少なくとも」とか、「適切な調整」とか、「15%以上の」とかについて、これからの動きを待ちたい。日経新聞のこの記事は、数値を書き込めたのが想定外、あいまいな点は各国の思惑の違いだけでなく7月のG20に先行することへの懸念を反映、といった見立て。声明の英語原文はここで読める。