11 April 2015

IMFと日本財務省共催のアジア租税会議、東京で開かれる

The Sixth IMF-Japan High-Level Tax Conference for Asian Countries "Emerging Tax Issues in Asia"である。途上国目線でみた国際課税の課題や租税条約について、報告と議論がなされた。

その公開セッションに出席する機会があった。途上国は最新のルールを導入し執行することを助言されがちであるところ、まずもって、全体として効果的な租税制度と租税行政を構築することが大事だ、というメッセージがよく伝わった。たとえば、移転価格課税をやみくもに強化する以前に、まずは税務執行の足腰をきちんとする、といったような課題である。法にのっとった適正な執行態勢は、ビジネスのためのインフラとして重要である。このことは、企業からのプレゼンターの意見からも、感ぜられた。

以前に注目したスピルオーバーに関するペーパーは、IMFのボードで議論して公式の位置づけを与えられたものであるとわかった。また、租税条約についても、2010年以降に香港が租税条約網を大きく拡大し、モンゴルが濫用のみられた4条約を破棄したことなど、種々の興味深い動きを知ることができた。租税条約上の自動的情報交換を実施するための執行コストに、途上国が対応できるかという論点も、はっとさせられる。