22 April 2015

企業内法務の仕事と伝統的弁護士の仕事

柏木昇先生の表記の文章が、法学教室412号(2015年1月号)160-163頁にのっている。達意の文章である。
企業内法務の仕事が企業内法務に実際に携わっている当事者以外にはいまだにほとんど理解されていないらしい
という認識に基づき
法律嫌いで商社に就職した私がどうして血湧き肉躍る企業内法務の仕事の面白さに気づいたか
ということを説明する。文章の目的が明確。これに続く実話に臨場感があり、ひきこまれる。
  • 入社5年目、テキサスの倒産事件。日米の法運用がまったく異なっていた衝撃。
  • インドネシアの鉱山開発融資で、契約交渉の実戦。先生は何歳だったのだろうか。
引き出される教訓に、説得力がある。
  • 営業も財務も法律も「たいした違いはない」、つまり、それぞれの専門から取引の成立に取り組んでいく仕事であること
  • 法律知識以外に、取引知識と財務・経理・税務知識が重要であること
  • 専門家との人脈が大事であること
「意見を言うだけでは仕事は終わらない。」 いかにも先生らしい言葉である。