19 November 2016

国際戦略トータルプラン、調査事例がでていた

2016年10月25日付けの国税庁の文書「国際戦略トータルプラン」に、いくつか調査事例がでていた(本文では18頁以下、じっさいに調査事例の紹介がはじまるのは25頁以下)。そこでは、富裕層や海外取引のある企業への対応例が、8つほど紹介されている。簡潔な記載ながらそれぞれに興味深い。

ざっと読んで気がつく点として・・・

  • 租税条約上の情報交換がかなり活用されている
  • 結果的に国外財産調書を提出していなかったことになると、加算税が過重される
  • 国外送金等調書で送金情報を把握することがある
  • タックスヘイブンのノミニー制度を利用していた事案で、外国子会社合算税制を適用した例がある
  • 租税条約の届出書と異なる取引実態を把握して、条約上の特典(使用料源泉税免除)を否定した例がある
  • 相続財産から海外預金を除外して申告していても、国外送金等調書から足がつく
  • 非居住者の国内不動産譲渡所得についても、租税条約上の情報交換で事実を把握する
これらの対応例は、課税情報の重要性を――改めて、しかも具体例をもって雄弁に――物語る。

なお、その後の国税庁のプレスリリースのリンクを、貼り付けておこう。

  平成27事務年度の「相互協議の状況」について(平成28年11月)