16. 我々は、より公正かつ現代的な税システムのために取り組むこと、及び、経済活動に参加する全ての者にとってグローバルに公平な競争条件を実現することに引き続きコミットする。この目的のため、G20/OECD BEPS(税源浸食と利益移転)パッケージの適時の、一貫した、広範な実施は極めて重要である。我々は、全ての関係・関心のある国・地域がBEPSパッケージの実施及びG20/OECD BEPSに関する包摂的枠組みへの参加にコミットすることを奨励する。我々は、2017年6月7日に行われる「BEPS防止に向けた租税条約に関する措置実施のための多数国間条約」の第1回署名式を期待する。 我々は、経済の電子化に関連した進展を監視・評価すること、及び「OECDの電子経済に関するタスクフォース(TFDE)」の作業の結論に応じて、一貫したアプローチで関連する税の課題に対処するために、必要に応じて政策の選択肢を策定することの重要性を認識する。我々は、OECDのTFDEによる2018年の中間報告に期待する。我々は、税の安定性に関するOECD及びIMFの作業を支持する。
17. 税の透明性を世界規模で高めるという我々の目標を再確認した上で、我々は、G20とともに、全ての地域が税務行政執行共助条約に署名し、これを批准するよう求める。また、2017年9月に始まる金融口座情報の自動的交換についての共通報告基準(CRS)を実施することにコミットしていない全ての金融センターを含む全ての関係国・地域が遅滞なくコミットすること、及び、CRSの下で遅くとも2018年9月までに自動的情報交換を開始するために、国内法制の導入を含む必要な行動をすべて取ることを強く求める。我々は、税の透明性に関して合意された国際的基準を未だ満足のいく水準で実施出来ていない地域において十分な進捗があることを期待し、OECDによる、税の透明性に関する非協力的地域のリストの作成に期待する。これは、リストに載った地域に対する防御的措置に関する我々の作業に指針を与える。我々は、FATF及び「税に関する透明性と情報交換に関するグローバルフォーラム」による、実質的所有者情報の入手可能性に関する国際基準の履行改善のための作業を歓迎する。我々は、併せて実質的所有者に関する税分野におけるOECDの補完的な作業を歓迎する。
18. 「租税犯罪及びその他の不正資金の流れに対する闘いについてのバーリ宣言」は、当局間及び国家間の効果的な協力に基づき、租税・金融犯罪に対して包括的なアプローチで闘うという我々の決意を反映している。我々は、CRSの下での報告を回避するために設計された取極めや、実質的所有者に不透明な構造のシェルターを提供することを目的とした取極めに対処するために、義務的開示ルールのモデルの検討を含む可能な方法を議論する取組を支持する。
19. 我々は、途上国の国内資金動員の能力を強化することが、持続可能な成長のためのグローバル2030年アジェンダの達成に極めて重要であることを再確認する。税制及び税務執行能力の改善も、世界的に公平な競争条件にとって極めて重要である。この目的のため、我々は、「アディス税イニシアティブ」の原則に引き続きコミットし、「税に関する協働のためのプラットフォーム」の作業を支持する。我々は、同プラットフォームが、国際機関間の協働を深化させ、また、税務能力構築のための外部からの支援の効果を向上させるに当たり、主要な役割を果たしていることを認識している。我々は、税の能力を構築する上での途上国に対する的を絞った支援を引き続き支持する。我々はまた、OECDによる「アフリカ租税・金融犯罪捜査アカデミー」のケニアでの設立のような、租税・金融犯罪への対処という分野における新たなイニシアティブを歓迎する。