とりあえず,日本国の選択の概要(暫定版)をもとに,署名時の日本国の留保と通告のリストを読んでみた。これなら合計23頁。いまのところ,対象租税協定(Covered Tax Agreements)になるのは,日中や日英など,35本のよう。
とくに印象的なのは・・・
- 7条(条約の濫用)につきPPTを選択
- PE認定につき,12条(問屋)は選択,13条(準備的補助的活動)は選択肢A,14条(契約の分割)は留保
- 仲裁(第6部)は選択
といった点である。条約締結ポリシーの機微を反映して,細かいところでいろいろと留保がついている。
- 3条(課税上存在しない団体 transparent entities)→3条2に留保
- 4条(双方居住者に該当する団体 dual resident entities)→4条1第2文に留保
- 5条→特に記載がなく,要するに適用しないということらしい
- 7条→PPTを選択し,すでに既存条約で入っている規定をリストアップ,たとえば日英や日仏の配当条項など
- 8条→留保
- 9条(不動産化体株式)→9条4を選択,9条1に相当する規定をもつ既存条約をリストアップ
- 10条(第三国PE)→受け入れ,ただしリストアップはまだのよう
- 11条(セービング条項)→留保
- 12条(問屋)→受け入れ,既存条約をリストアップ
- 13条(準備的補助的活動)→選択肢A
- 14条(契約の分割)→留保
- 16条(相互協議)→受け入れ
- 17条(対応的調整)→受け入れ,ただしリストアップはまだのよう
- 18条(仲裁)→受け入れ
- 19条12→留保
- 23条2→留保,いわゆるベースボール方式をとらない
- 26条→仲裁条項を有する7本の既存条約をリストアップ
- 28条→仲裁の範囲につき留保と異議
以上,暫定版として公表されたものの,速報版。読み間違えていないといいのだが・・・。
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