いま、法学を知りたい君へ -- 世界をひろげる13講 が公刊される。文系理系を問わず学部1年生2年生を対象としたオムニバス講義を記録したもの。
私の第12講「租税競争をくいとめる」は、国際課税の分野における2021年10月合意のPillar Twoをめぐって、それが抱える課題を簡潔に論じた。講義の終わりに「お題」を提示して、グローバルなフォーラムと日本の国会との関係をズバリ直球で問うた。これに対してある理系の方がとてもいい応答を提出してくれた。2年も前のことなのに記憶に新しい。
大教室で講義をしたのはGW中だった。授業の後、白石忠志教授とご一緒に、人でにぎわう渋谷に出て、おいしい蕎麦を食べた。私にとって大切な想い出。執筆者紹介にも記した。
目次をコピペしておこう。
第1講 ロシアのウクライナ侵略と国際法(中谷和弘)
第2講 法を通じて世界を見る(巽智彦)
第3講 国会のオンライン審議は可能か(宍戸常寿)
第4講 18歳,19歳の者は大人か?子どもか?(成瀬剛)
第5講 多様化する働き方と社会法(笠木映里)
第6講 母子関係の比較法──外国法の参照は無意味か?(齋藤哲志)
第7講 会社はSDGsのために存在するのか?(松井智予)
第8講 なぜデッド・コピー(酷似的模倣)を禁止しなければいけないのか?(田村善之)
第9講 自動運転と法・その1──総論 (藤田友敬)
第10講 自動運転と法・その2──自動運転車による交通事故と民事責任・刑事責任(後藤元)
第11講 大きいことは悪なのか?競争法は巨大企業にどう対処するか(Simon VANDE WALLE)
第12講 租税競争をくいとめる(増井良啓)
第13講 競争法の国際的適用(白石忠志)
なお、下の画像には帯がついているが、この帯を取り外しても、ろけっとぽっぽーが装丁カバーに顔を出している。前著のときにはなかった新機軸。