01 October 2010

東京地判平成21年9月17日(株式評価・連結加入時の法人税額控除)

次の場合の株式評価をどうするか。7月21日に一株あたり30万円で第三者割当を行い,10月末に上場承認,11月にブックビルディングしていたときに75~100万円,12月の上場初値が240万円だった。東京地裁は,総合判断により,結論として100万円でいいとした。

興味深いのは,裁判所「判例検索システム」の「裁判要旨」が,株式評価にあたって法人税額控除を与えなくてよいとした部分に,裁判例としての意義を認めているように読める点である。連結に加入する時点で,これまでの単体の生活をいわば身ぎれいにして清算し,フレッシュ・スタートをとらせる,という税制との整合性はとれているのであろうか。