15 December 2013

株主優待が交際費に

12月13日付の朝日新聞の報道によると
関東や東海で焼き肉店を中心に約240店舗を展開する「安楽亭(あんらくてい)」(さいたま市)が関東信越国税局税務調査を受け、2011年3月期までの4年間で約3億円の申告漏れを指摘されたことが分かった。株主に配った優待券(食事券)を広告宣伝費として処理していたが、課税対象となる交際費と指摘されたという。
 とのことである。たしかに、同社のホームページで、10月11日付で「株主優待券に係る国税不服審判所長の裁決書受領について」というプレス・リリースが出ている

記事をみた限りでは事実関係がよくわからず、いくつか疑問が生ずる。
1)なぜこの段階で、新聞報道がされたか。
2)国税不服審判所の裁決は、どういうロジックを展開したのか。
3)交際費認定以前の問題として、資本等取引に該当しないのか。

なお、所得税基本通達24-2は、次の取扱いを示している。

(配当等に含まれないもの)

24-2 法人が株主等に対してその株主等である地位に基づいて供与した経済的な利益であっても、法人の利益の有無にかかわらず供与することとしている次に掲げるようなもの(これらのものに代えて他の物品又は金銭の交付を受けることができることとなっている場合における当該物品又は金銭を含む。)は、法人が剰余金又は利益の処分として取り扱わない限り、配当等(法第24条第1項に規定する配当等をいう。以下同じ。)には含まれないものとする。(平19課個2-11、課資3-1、課法9-5、課審4-26改正)
(1) 旅客運送業を営む法人が自己の交通機関を利用させるために交付する株主優待乗車券等
(2) 映画、演劇等の興行業を営む法人が自己の興行場等において上映する映画の鑑賞等をさせるために交付する株主優待入場券等
(3) ホテル、旅館業等を営む法人が自己の施設を利用させるために交付する株主優待施設利用券等
(4) 法人が自己の製品等の値引販売を行うことにより供与する利益
(5) 法人が創業記念、増資記念等に際して交付する記念品
(注) 上記に掲げる配当等に含まれない経済的な利益で個人である株主等が受けるものは、法第35条第1項《雑所得》に規定する雑所得に該当し、配当控除の対象とはならない。