28 June 2022

まだ、法学を知らない君へ(2022)

1年くらい前、白石忠志教授のおさそいで、東京大学教養学部の1年生2年生を対象に、オムニバス講義の一コマを担当した。そのときの記録を、『まだ,法学を知らない君へ――未来をひらく13講』に掲載していただいた。全体の目次は下記引用の通りで、ぼくの講義は第10講「GAFAの利益をつかまえる――経済のデジタル化と国際課税ルール」。

その後の展開もあり、寄稿のために書き言葉にしていく過程はなかなか楽しかった。ここで種明かしをすれば、もとになった講義は、(もちろんそれなりに準備はしたものの)ノリのいいジャズライブのように即興感あふれるもので、司会の白石教授にいろいろなことを教えていただき、オンライン参加者との対話もはずんで、さらに愉快だった。 

はじめに(白石忠志)
第1講 デジタル社会と憲法(宍戸常寿)
第2講 同性カップルと婚姻(沖野眞已)
第3講 刑法は個人の尊厳を守れるか──性刑法の改正議論を題材に(和田俊憲)
第4講 金融サービス仲介業制度の導入(神作裕之)
第5講 役員報酬と法(飯田秀総)
第6講 非正規格差をなくすには(神吉知郁子)
第7講 著作権法の過去・現在・未来(田村善之)
第8講 プラットフォーム全盛時代に適正な競争を確保する(白石忠志)
第9講 ビッグテックの台頭──競争法は機能しているか?(Simon VANDE WALLE)
第10講 GAFAの利益をつかまえる──経済のデジタル化と国際課税ルール(増井良啓)
第11講 国家間のサイバー攻撃をどう規制するか?──国連におけるICTs規制論議の経緯・現状・課題(森肇志)
第12講 契約とContract──比較法からパンデミック・オリンピックまで(溜箭将之)
第13講 一人一票の原則を疑う(瀧川裕英)