18 February 2012

京都地判平成23・4・14(学校法人学院長の退職金)

退職所得か給与所得か。

専修学校の学院長および校長を退職し,3億2000万円の退職金支給決議。その後,経営移譲とともに,再定義後の学院長職務とセンター長の職務のみを行うようになった。京都地裁は,勤務関係の性質,内容,労働条件等に重大な変動があったと述べ,退職と同視しうる特別の事実関係があったなどとして,所得税法30条1項「これらの性質を有する給与」にあたる(=退職所得にあたる)と判断した。

最近の先例として,大阪地判平成20・2・29判例タイムズ1268・164(学校法人太陽学園事件)も,退職所得にあたるとしている。学校法人の理事長および同法人の設置する高校・中学の校長の職にあった人が,校長をやめて同法人の設置する大学の学長になり,4802万円余の退職金の支払を受けた。大阪地裁は,勤務関係の性質,内容,処遇等に重大な変動があったと認定した(確定)。

なお, 執行役員(使用人)をやめて執行役になった場合について,大阪地判平成20・2・29判例タイムズ1267号196頁(シャディ株式会社事件)は,いわゆる打切り支給(所得税基本通達30-2の柱書にいう条件)ではない場合について,退職所得にあたるとした例。

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