26 August 2014

米国のCorporate Inversion,やや沈静化か

8月25日付けのロイター通信が

米国企業が税率の低い国のライバル企業を買収して本拠地を移す「インバージョン」と呼ばれる動きについて、企業合併・買収(M&A)に関する助言業務を手掛けている銀行家や法律家の間では、今後はブームが鎮静化する可能性があるという見方が出ている。
という観測記事をアップしていた。 くわしくはここ

Reuters JP

10 August 2014

東京地判平成24年9月7日 徳島県青少年センターPFI株式会社事件

消費税法30条2項1号の個別対応方式における課税仕入れの用途区分につき、共通仕入れとした事例。税務訴訟資料262号順号12032で判決文を読める。 東京地裁は一般論として
課税仕入れの区分の判断については、同号の文言等に即して、当該課税仕入れが行われた日の状況に基づいてその取引が事業者において行う将来の多様な取引のうちのどのような取引に要するものであるかを客観的に判断すべきものと解するのが相当である
と述べる。

平成23年6月の消費税法改正によりいわゆる95%ルールが見直され、個別対応方式をとる事業者が増加している。同種の争いが国税不服審判所で複数生じていることが、税大論叢のこの論文で示されている。

今後、消費税法の解釈適用に関する典型論点のひとつになっていくのだろうか。

課税関係判決

06 August 2014

佐藤健太郎『「平等」理念と政治 ―大正・昭和戦前期の税制改正と地域主義』

日本政治史の本格的な研究書。神戸正雄の思想形成過程を河上肇と対比して論じ(第1章)、臨時財政経済調査会の税制改正案を分析し(第2章)、さらに進んで、知事公選・両税委譲・雪害運動・沖縄救済・地租法改正法案という諸問題を地域の「平等」に関する政治過程として捉え検討する(第3章)。

おおいに蒙を啓かれる。神戸正雄のものはこれまで断片的にしか読んだことがなかった。納税道義に関する彼の関心がどこに由来するか、本書によりはじめて理解できる。「道義院」設立論者であった彼の思想的枠組みは、「対外的な危機意識を背景にした国家的視点、非道義的な気風の排除、富豪への嫌悪感から来る社会主義との一定の親和性」にあったのである(22頁)。この考え方と財産税導入論が結合する。しかも神戸の場合、社会政策的税制論とは一線を画し、給付能力原則に適合した租税理論を展開した(65頁)。本書は、このような神戸学説の読み込みを経て、臨時財政経済調査会の議事がどのような対立軸を有していたかをつぶさに検討する(たとえば141頁)。なるほど。

時代を超えて、税制改正に携わるアクターに対して、「あなたはどういう理念をもって行動しているのですか」、と静かに問いかけるような、奥行きと広がりを感じた。日本史年表を片手に読み進むのも楽しい。


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04 August 2014

親指シフトに再シフト

すでに周知のことであったようであるが、親指シフトが静かに復権していた。

おそまきながらようやくその事実を知り、個人的には、使い慣れたワープロ専用機との「涙の別れ」から13年たってはじめて、親指シフトに復帰できた。汎用性の高いOfficeソフトウェアを使えるので、仕事先に迷惑をかけることもなさそう。