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デジタル経済の可能性はアクセスと利用性の不平等に阻まれる
OECD – パリ、2017年10月11日
デジタル技術は目を見張るほどの進歩を続けています。インターネットインフラは日進月歩で、デジタルツールの利用も増加しています。デジタルイノベーションが社会に及ぼす影響も、多様な分野でさらに明かになってきました。しかし、進歩は各国間、企業間、そして社会の内部でも一様ではありません。デジタルを利用する機会が拡大し、それに後れた人々が追いつけるよう手を差し伸べることで、デジタル転換の便益を増し、それを経済全体、全ての人々の間で広く共有できるようになると、OECDは新しい報告書で述べています。
アンヘル・グリアOECD事務総長は、パリで開催されたOECD Global Parliamentary Networkの会合で本報告書の発表会見を行い、次のように述べました。「デジタル転換はあらゆる国々、企業、家庭で同じペースで起こるものではなく、それが機会の不平等に繋がる。 我々は、あらゆる人々が手頃な価格でデジタルツールを利用できるようにし、それを活用する技能を提供することで、デジタルの世界で生き残る力を市民と企業に与えなければならない。」
『OECDデジタル経済アウトルック2017年版 (OECD Digital Economy Outlook 2017)』によると、政府の政策は大手テクノロジー企業がもたらすデジタルイノベーションと経済社会の変化に追いついていません。本報告書では、諸国がその取り組みを強化し、教育と技能への投資を増やし、ビッグデータ解析やクラウドコンピューティングといった先端技術を特に小規模企業が導入することを奨励して、デジタルへの移行をより生産的、包摂的にするよう呼びかけています。
インターネットの利用しやすさは高まり、平均速度は速まり、価格は下がっています。しかし、モバイルデータの利用度は、モバイルアプリをメッセージの交換、交通手段や地図の確認、動画配信サービスに利用することが増えているため、デジタル経済の重要な要素となっていますが、それが一部の国々、特にフィンランドとラトビアで他の国々よりも遙かに速いペースで伸びています。
インターネット全体の利用度という点で、2016年に人口の97%以上がインターネットを利用していたのはデンマーク、アイスランド、日本、ルクセンブルク、ノルウェーです。それに対して60%以下だったのはメキシコとトルコです。16~24歳でオンラインを利用した人の割合は95%を超えているのに対して、55~74歳では63%を下回っています。
2016年には、OECD諸国企業の95%が高速インターネットを利用しており、2010年の86%から上昇しています。上昇幅が最も大きかったのは、メキシコ、ラトビア、ポーランドです。しかし、特にメキシコ、ギリシャ、ポーランド、トルコでは、大企業と小企業の間に大きな差があります。小企業は、ビッグデータ解析やクラウドコンピューティングといった先端技術の導入においても後れています。
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本報告書ではデジタルの不平等を明らかにしている他、各国政府に対して失職や新たな労働形態の出現、貿易見通しの変化などを考慮に入れて労働法、貿易協定、その他の法制を見直すよう提案しています。また、デジタルサービスへの理解を損ねる恐れがあるデータ漏洩や安全性を脅かす事件への懸念が高まる中、デジタルの安全性とプライバシーのリスクに諸国が協力して取り組むよう呼びかけています。
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