日本税務研究センターの日税研論集86号「金子租税法学の回顧と継承―金子宏先生追悼論文集―」が公刊されていた。金子先生は1990年代前半に横浜国立大学で教鞭をとっていらっしゃり、すでに横浜法学32巻1号で追悼特集が組まれている。
横浜国立大学時代の金子先生は、とりわけ国際課税の研究と交流に力を尽くされた。そこで、日税研論集の企画に際し、私はその時期のことを取り上げることとした。先生の法人税制調和論がその後の国際課税ルールの展開の中でどうなったか、30年強が経過した現時点の視点から顧みることができた。また、先生が頻繁に国際会議を催され、私のような若手に対しても参加の機会を与えてくださっていたことが、改めてよくわかった。税研239号の特集でも国際会議の思い出を記される先生方が多く、大変な求心力をもって活動されていたことがなつかしく感じられる。
以下、日税研論集86号の目次をコピペする。
まえがき
金子宏先生の学問業績の概要 中里 実
離婚時の財産分与をめぐる夫婦の課税関係 佐藤英明
横浜国立大学時代の金子宏先生—国際課税を中心として 増井良啓
財産評価に関する金子説とその展開 渋谷雅弘
tax mix:一元的担税力と多元的担税力 浅妻章如
行政機関による情報の取得をめぐる法的理解の変遷 「行政調査」概念を手がかりとして 渕 圭吾
金子租税法学における信義則 藤谷武史
権利確定主義はどこへ―─ 法人税法22 条の2創設は何を変えたのか? 吉村政穂
国際人道税・国際連帯税の構想:地球規模課題と租税法学の空間的拡張 神山弘行
累進的消費課税の執行とプライバシー――中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する議論の参照 長戸貴之
景気安定化の手段としての租税制度の可能性とその限界 藤岡祐治
「租税情報開示禁止原則」について 田中啓之