29 March 2025

金子宏先生追悼論文集

日本税務研究センターの日税研論集86号「金子租税法学の回顧と継承―金子宏先生追悼論文集―」が公刊されていた。金子先生は1990年代前半に横浜国立大学で教鞭をとっていらっしゃり、すでに横浜法学32巻1号で追悼特集が組まれている。

横浜国立大学時代の金子先生は、とりわけ国際課税の研究と交流に力を尽くされた。そこで、日税研論集の企画に際し、私はその時期のことを取り上げることとした。先生の法人税制調和論がその後の国際課税ルールの展開の中でどうなったか、30年強が経過した現時点の視点から顧みることができた。また、先生が頻繁に国際会議を催され、私のような若手に対しても参加の機会を与えてくださっていたことが、改めてよくわかった。税研239号の特集でも国際会議の思い出を記される先生方が多く、大変な求心力をもって活動されていたことがなつかしく感じられる。

以下、日税研論集86号の目次をコピペする。

まえがき

金子宏先生の学問業績の概要 中里 実

離婚時の財産分与をめぐる夫婦の課税関係 佐藤英明

横浜国立大学時代の金子宏先生—国際課税を中心として 増井良啓

財産評価に関する金子説とその展開 渋谷雅弘

tax mix:一元的担税力と多元的担税力 浅妻章如

行政機関による情報の取得をめぐる法的理解の変遷 「行政調査」概念を手がかりとして 渕 圭吾

金子租税法学における信義則 藤谷武史

権利確定主義はどこへ―─ 法人税法22 条の2創設は何を変えたのか? 吉村政穂

国際人道税・国際連帯税の構想:地球規模課題と租税法学の空間的拡張 神山弘行

累進的消費課税の執行とプライバシー――中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する議論の参照 長戸貴之

景気安定化の手段としての租税制度の可能性とその限界 藤岡祐治

「租税情報開示禁止原則」について 田中啓之



国連専門家委員会

国連の30th Session of the Committee of Experts on International Cooperation in Tax Mattersが、ニューヨークにおいて、24.03.2025-27.03.2025の日程で開催された。

Conference Room Papers (CRPs) are available HERE. 文書へのリンクをたどりやすいよう、下にコピペして張り付けておく。注目されていたサービス条項(従来Article xxと呼ばれていたもの)については、月曜のThe Digitalized and Globalized Economyのタイトルで E/C.18/2025/CRP.1 – Co-coordinators' Reportのところにある。従来のArticle 12AとArticle 14に代わって、新Article 12AAになることに。

Conference Room Papers (CRPs) - 30th Session

Conference Room Papers (CRPs) for the 30th Session of the Committee of Experts on International Cooperation in Tax Matters are available here. 

https://financing.desa.un.org/sites/default/files/2025-03/CRP.1%20Digitalized%20Economy%2010%20March%20final.pdf

Wednesday, 26 March 2025

Tax, Trade, and Investment Agreements 

E/C.18/2025/CRP.2 – Coordinator’s Report

Transfer Pricing

E/C.18/2025/CRP.4 – Co-coordinators' Report

Dispute Avoidance and Resolution 

E/C.18/2025/CRP.14 – Co-Coordinators' Report

Update of the Manual for the Negotiation of Bilateral Tax Treaties

Digitalization and other Opportunities to Improve Tax Administration

E/C.18/2025/CRP.12 – Co-coordinators' Report

Annex 1Annex 2Annex 3Annex 4

Increasing Tax Transparency 

E/C.18/2025/CRP.13 – Co-coordinators' ReportAppendix


吉村典久教授退職記念論文集

吉村典久教授退職記念論文集が、慶應義塾大学法学研究会サイトの法学研究データベースに掲載されていた。私の論文も掲載していただいた。「南北問題と租税法:グローバルサウスの声にどう向き合うか」というかなり大風呂敷のタイトルで、国連の国際租税協力枠組条約をめぐる動きを中心に、途上国の高まる主張に対して日本政府がどのような方針で臨むべきかについて、意見を述べた。

最近、英語圏の専門誌では、「国連枠組条約を機会に国際課税のガバナンスをとっかえよう!」という論説をよく目にする。私は、南北問題の根深さを意識するからこそ、これには適切な距離を置いたほうがよいと考えた。この論文でも、直接投資額などのデータを踏まえつつ、ふわふわした主張に安易に乗っかってはいけないと主張した。IMFで長く支援にかかわってきたMick Keenさんとランチをはさんで対話した経験が、論旨を固める上で背中を押してくれた。日本の研究者の間でどう受け止められるかはよくわからない。

以下に、論文集全体の目次とリンクをコピペしておこう。

最新号98巻1号(2025年01月)

2025年01月28日発行

その他

表紙

法学研究98巻1号2025年01月 1-1頁

その他

中表紙

法学研究98巻1号2025年01月 2-2頁

その他

写真

法学研究98巻1号2025年01月 3-3頁

その他

堤林剣 

法学研究98巻1号2025年01月 5-7頁

その他

目次

法学研究98巻1号2025年01月 9-12頁

論説

日台民間租税取決め

髙久隆太 

法学研究98巻1号2025年01月 25-46頁

論説

居住用マンションの評価に関する一考察

渋谷雅弘 

法学研究98巻1号2025年01月 139-161頁

論説

不相当に高額な役員給与の損金不算入規定についての一考察

西本靖宏 

法学研究98巻1号2025年01月 227-247頁

論説

国境を越えた現物出資をめぐる課税問題(再論)

吉村政穂 

法学研究98巻1号2025年01月 249-268頁

論説

自己恩赦の憲法適合性:アメリカ大統領の恩赦権を素材として

大林啓吾 

法学研究98巻1号2025年01月 319-352頁

その他

吉村典久教授略歴・主要業績

法学研究98巻1号2025年01月 379-389頁

その他

後記

青木淳一 

法学研究98巻1号2025年01月 391-391頁

その他

執筆者紹介

法学研究98巻1号2025年01月 393-393頁

その他

第97巻第12号目次

法学研究98巻1号2025年01月 394-394頁

その他

奥付

法学研究98巻1号2025年01月 395-395頁

論説

フランスの相続税について

平川英子 

法学研究98巻1号2025年01月 420-397頁

論説

租税法と既得権益:カリフォルニア州のProposition 13 をきっかけに

浅妻章如 

法学研究98巻1号2025年01月 440-421頁

論説

南北問題と租税法:グローバルサウスの声にどう向き合うか

増井良啓 

法学研究98巻1号2025年01月 480-464頁

その他

目次(英文)

法学研究98巻1号2025年01月 488-485頁

その他

裏表紙

法学研究98巻1号2025年01月 489-489頁