20 March 2016

石油価格の世界的下落に伴い,各国の石油課税に変化が報告されていた

この記事である。

Taxation and oil companies

Oiling the wheels

Governments are easing the tax burden on the industry, with some exceptions


①価格に応じた課税になっているか(油田の利益の一部をとる豪やノルウェー),②バレルあたりの課税になっているか(ブラジルやカザフスタン)で,石油価格の下落がもつ意味がだいぶ異なってくる。すなわち・・・
  • ①であれば価格変動に自動的に対応する
  • ②であれば価格が下落しても1バレルあたりの税額は変わらないから政府の取り分は相対的に増える
この話は,租税法の授業のはじめのあたりで従価税と従量税の違いについて説明するときに,使えそう。

この記事はさらに,英国の昨年の減税を皮切りに,カザフスタンやブラジル,コロンビア,メキシコ,ケニヤ,カナダのアルバータ州などの政府行動が変わったという。ただし,いまだ「底への競争」にはなっておらず,ロシアのように増税が予想されるところもあるといっている。ふーん。少なくともいえそうなことは,「レント税だと政府がどれだけとっても企業行動に影響しない」という話が,現実の石油産業との関係では必ずしも妥当せず,実際にはもっと複雑な考慮を要するということ。

この記事が出た機会に国連のサイトをチェックしてみたが,あまり動きはないよう。

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