05 April 2014

神戸正雄(1929)による、政府の希望する「租税回避」の例

神戸正雄『財政学体系』380頁(1929年)が、政府の希望する「租税回避」の例として、独身税をあげている。いわく、
又租税回避が不当でないのみならず、立法者の却って之を希望することがある。其は・・・独身税出るに於て結婚を為すことによりて此等の税を免れるが如きである。[旧字を改めた]
これを現代風の言葉でいえば、納税者のインセンティブ効果を立法者が意図的にねらった場合である。

この一節は、「租税の回避及転嫁」と題する章にでてくる。神戸のこのテクストにおける「租税回避」の概念は、きわめて広い。現代日本の法学で通常考えられている租税回避以外のものを、含んでいた。すなわち、

  • 立法上おこなわれるもの。
  • 税法の適用に際して行われるもの。その例として「課税物件の隠匿、密輸入、虚偽の申告」をもあげており、今日の言葉でいう明白な脱税をカバーしている。
  • 転嫁によるもの。
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