私大、悩める授業料 入学者減懸念、転嫁難しく
という記事が,毎日新聞2019年10月24日東京夕刊にでていた。この記事は,リンク先の公開版で読める箇所で,
という記事が,毎日新聞2019年10月24日東京夕刊にでていた。この記事は,リンク先の公開版で読める箇所で,
収入となる授業料や入学金は、教育を受ける側の負担を抑える目的などで非課税とされているが、支出となる施設整備や物品購入費は課税されるからだ。と述べている。これは,
- 消費税法の課税事業者たる私立大学は,売上について,授業料や入学金が非課税となる(6条,別表第一11号イ)。
- しかし,その結果として,仕入税額控除との関係では,課税売上割合が95%に満たないときの区分計算の必要(30条2項)などからして,取引の前段階で消費税が課されていても,税額控除ができない。
- このことが,授業料などの値上げが難しい中で,経営を圧迫する。
ということだと思われる。上記引用文にいうところの,支出となる施設整備や物品購入費は「課税される」という表現は,前段階の事業者が売上税額を納税しているという意味と,私立大学が仕入税額控除できないという意味とを,両方含意しているものと読んでおきたい。そうなると,病院経営について保険診療報酬との関係でかねてより指摘されてきたような問題と,同型のものであることがわかる。
なお,毎索(毎日新聞記事データベース)で上記記事の全文を読んでみると,いくつかの私立大学の対応が紹介されていて,各大学の広報担当者のプレゼンの仕方が大事なのだなと思わせる。
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