14 December 2015

大阪地判平成27年4月14日 清算手続結了前の株式相続と,清算後の留保利益分配へのみなし配当課税

事案はおおむね次のとおり。

  • 株式会社Bの破産手続が開始している中で,2006年に株主Aが死亡して相続開始。
  • 2007年にB社の清算手続が開始し,相続人Xらが,B社株式などにつき相続税の申告。この株式は,財産評価基本通達189の6により,清算の結果分配を受ける見込みの金額によって評価。
  • 2010年にB社の清算手続が結了し,Xらに対して解散により残余財産分配(「本件各分配金」)。

    相続
A ――――→ X

    B社


争点は,本件各分配金のうちみなし配当とされる金額が,所得税法9条1項16号「相続・・・により取得するもの」として非課税となるか否か。

大阪地裁は,非課税にならないとした。最判平成22年7月6日(生保年金二重課税事件)との関係や,清算中の株式評価のあり方など,興味深い論点を含む。

相続のタイミングとの関係で事案を巨視的に位置づけると,(あ)生前に会社を清算して現金を相続する場合と,(い)株式を相続したあとで会社を清算する場合との間に位置するとみることができる。
  • (あ)だと,Aがみなし配当課税を受けて(所得税),税引後の相続財産がXの相続税の対象になる。
  • (い)だと,Xが株式につき相続税の課税を受け,しかるのち,Xがみなし配当課税を受けるであろう(所得税)。そして,(い)について,少なくとも相続後かなりの時期がたっていれば,所得税が課されるという結論に異論は少ないであろう。(株式の取得価額が引き継がれるという暗黙の前提を置いているが・・・)。
とすると,本件については,これらの場合とのバランスも考える必要がありそうだ。控訴中。

No comments:

Post a Comment

Comments may be moderated for posts older than 7 days.